けちパパブログ

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有給休暇は5日取れる? 企業への罰則規定あるものの取得率は伸び悩み

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あなたは現在、有給休暇の権利を何日分持っているのか把握していますか?
「繁忙期が落ち着いたら、取得しようかな」なんて思っていても
職場内の雰囲気で取りにくいと感じている方もいらっしゃるかもしれません。
特に人数が少ない部署であれば、同僚への負担を考えて取ることが出来ないというのが実情でしょう。
本来は、そのようなことが起きないように調整するのが上司の役割ですが、
現実的には難しい側面もあるようです。
令和1年4月1日から働き方改革の一環として、すべての事業所において年に最低5日の有給休暇の取得が義務付けられました。
これに違反した企業には罰則の規定があるとも報道を通じてご存じの方も多いと思います。
しかし、「自分の勤め先では改正後も特に動きがない」という労働者もいらっしゃるようです。
そこで今回は、有給休暇の義務化についてまとめてみました。

 

有給取得率が向上? 法令による効果ではないとの指摘も…

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厚生労働省は令和2年10月30日に就労条件総合調査を発表しました。
このデータによると、民間企業で働いている人々が2019年の間に有給休暇を取得した割合が
前年比で3.9%上昇したとのことです。
平均取得日数は1人あたり約10日になるとの試算もあります。
政府は、この上昇について上述の働き方改革法案の影響によるものであるとしています。
これに加えて、目標達成率は70%であるので企業へのさらなる取得の呼びかけが必要とも述べています。
しかしながら、この取得率上昇については有給休暇義務化は無関係であるとの指摘も上がっています。
罰則規定を設けたにも関わらず微増しかしていないところを見ると、
定年退職を控えた労働者による有給休暇の消化ではないかというのが主な見方です。

 世界的に見ても日本は有給休暇の取得率が低い

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日本は世界的に見ても有給休暇の取得率が低いと言われています。
2019年度のデータで日本が56.3%であるのに対し、米国では71%と大きく差をつけられています。
過酷な長時間労働により、心身の故障を引き起こす事例が後を絶たず社会問題となっています。
不本意なことに「カロウシ」が国際的に通用する言葉になってしまっています。
この現状に政府も手をこまねいている訳ではなく、対策に身を乗り出そうとしています。
最近では、西村康稔経済再生担当相が年末年始の休暇の分散を呼びかけました。
これを受けて経団連は各企業に対して、従業員が年末年始にも有給休暇を取得することが出来るように求めています。
この分散休暇の案については、非正規雇用の従事者の所得に影響を及ぼすといったことが懸念されています。

まとめ

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ブラック企業により従業員が長時間労働を要求され、過労死してしまうケースが後を絶ちません。
問題解決には政府による働きかけが必要不可欠となっています。
しかし、年末年始の有給休暇の呼びかけは、サービス業等の業種に従事する方にとっては仕事の調整等で負担となる場合が考えられます。
労働者への配慮を行っているように見える制度の新設をすることで、一応の体裁を整えているだけとの批判もあります。
労働者の権利保護を実現していくためには、制度が「絵に描いた餅」で終わらずにきちんと機能していることが重要です。
働き方改革法案で従業員に有給休暇を取得させることが出来なかった企業に罰則が科せられるはずですが、
取得率はほぼ横ばいなのに、取り締まりを受けた企業についての報道がなされていません。
これは、労働政策における政府の役割が果たせていないのと同義です。
大胆な政策よりも、着実に労働環境改善していくことのできるような制度作りの方が労働者にとって喜ばれるのではないでしょうか。